みすず書房

反ユダヤ主義

ユダヤ論集 1

THE JEWISH WRITINGS

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 448頁
定価 7,040円 (本体:6,400円)
ISBN 978-4-622-07728-2
Cコード C3010
発行日 2013年9月20日
備考 在庫僅少
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反ユダヤ主義

〈ひとが誰であるかはつねに条件づけられているものだが、ハンナ・アーレントが誰であったかの第一の条件は、彼女の場合絶対的といえるほど明らかに、彼女がユダヤ人に生まれたという事実であるとわたしは思う。それは、彼女がほかのユダヤ人のようなユダヤ人であったとか、彼女の生涯は典型的なユダヤ人の生涯であるということではない。30年以上にわたる本書に収録されたユダヤ関係の著述は、アーレントの政治思想を例証するものというより、そうした思想がそこから成長し発展した経験という土壌なのである。アーレントのユダヤ人としてのアイデンティティ、というより彼女のユダヤ人としての経験と呼びたいものが文字どおり彼女の思想の基礎である、というのはこのような意味においてである〉
(ジェローム・コーン「まえがき」より)

みずからを「自覚的パーリア」として位置づけることによって思考し、理解しようとした20世紀を代表する政治哲学者の、ユダヤ関係についての試論を集成。1巻には『全体主義の起原』に連なり、1938-1939年頃に書かれた長大な論考「反ユダヤ主義」を中心に、フランスでの収容所生活時代の文章、1941年アメリカ亡命後、『アウフバウ』紙に書き連ねた第二次世界大戦やパレスチナ問題についての記事を収録する。
ナチによるユダヤ人迫害をきっかけとする政治への目覚めからアイヒマン裁判をめぐる論争にいたるまで、アーレントのユダヤ論の全貌がここにはじめて姿をあらわした。全2巻。

目次

まえがき——あるユダヤ人の生涯 1906-1975年  (ジェローム・コーン)
本文についての注記
序論 パーリアとしてのユダヤ人——ハンナ・アーレント(1906-1975)の場合  (ロン・フェルドマン)

I 一九三〇年代
啓蒙とユダヤ人問題
私的サークルに反対する
独創的な同化——ラーエル・ファルンハーゲン百年忌へのエピローグ
若者の職業分野の再編成を
若者の指導者 マルティン・ブーバー
若者は故郷をめざす
グストロフ裁判
ユダヤ人問題
反ユダヤ主義

II 一九四〇年代
マイノリティ問題によせて
起こっていないユダヤ戦争——『アウフバウ』からの記事 1941年10月-1942年11月
ユダ一族の感謝? ジュール・ロマンへの公開書簡/ユダヤ軍——ユダヤ人の政治のはじまり?/能動的忍耐/その他については、……とわたしは宣言する/第一歩/「ユダヤ軍創設委員会」とは何者なのか?/モーセかワシントンか/だれの役に立つのか?/紙切れと現実/イスラエルびとはみなイスラエルびとの面倒を見る/悪魔の詭弁/「いわゆるユダヤ軍」/ユダヤ人問題についてのキリスト教徒の発言/「カディッシュは唱えられまい」(あなたたちのことですよ)/壁際に追いつめられて/より小さな悪に抵抗しないならば/パウル・ティリヒに賛成して/混乱/ロシア・ユダヤ人の帰還/フランスで何が起きているのか?/シオニズムの危機
沈黙と無言のあいだ——『アウフバウ』からの記事 1943年2月-1944年3月
亡命フランス政治文学/テレージエンシュタットのほんとうの理由/ユダヤ‐アラブ問題は解決できるか?
ユダヤ民族の政治的組織化——『アウフバウ』記事 1944年4月-1945年4月
ユダヤ民族の名誉と栄光のために/アメリカ合州国—石油—パレスティナ/バルフォア宣言とパレスティナ委任統治/噂の終焉/俗物という爆薬/だれもいない国からの客/古い民族の新しい顔/変化の日々/六発の教訓/ユダヤ‐アラブ相互理解のための新提案/ヨーロッパの蜂起におけるユダヤ人パルティザン/「地の塩」について——ウォルドー・フランクの「ユダヤ解釈」/軍隊から旅団へ——要求のわずかな実現、されど実現/追悼 エイドルフ・S・オーコ/「自由で民主的な」/権利と尊厳を奪われた者たち/近東で民族合意をなしとげる——ユダヤ政治のためのひとつの基盤/ユダヤ人にとってのチャンス——乏しい見通し、分裂した代表

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