みすず書房

哲学への権利 1

DU DROIT A LA PHILOSOPHIE

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 320頁
定価 6,160円 (本体:5,600円)
ISBN 978-4-622-07874-6
Cコード C1010
発行日 2014年12月25日
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哲学への権利 1

〈今すでに、哲学は後退し萎縮している。もしこのまま野放しにするのなら、明日、哲学はほぼ死んだも同然になるだろう。しかし、私たちは野放しにはしない〉
教育の効率化へと舵を切り、哲学教育の大幅な削減を求めるフランス政府の教育改革案に、デリダは理論と実践の両面から反対した。本書はデリダの哲学教育活動の集大成である。
授業時間の削減、哲学教師の人員削減等、哲学教育そのものを縮小しようとする政府の動きに対し、デリダはGREPH(哲学教育研究グループ)を結成。教員・学生・一般市民を巻き込んだ運動を展開していく。

〈哲学的制度(研究や教育)を暗黙裡ないし明白に支えている法的な諸構造が、哲学そのもの〔…〕に対して取り結ぶ関係が問われるだろう〉
デリダたちの運動は、79年にソルボンヌ大学で開かれた公開討論会「哲学の全国三部会」に結実する。準備委員会には、ジャンケレヴィッチ、ドゥルーズ、リクール、ナンシーらが名を連ねている。
こうした実践的活動だけでなく、デリダは哲学を学ぶこと、教えることの根拠を徹底的に問い直した。哲学への権利が無価値に見える地点で権利を設定することが重要だ。なぜ哲学教育の拡大を要求するのか。哲学への権利とは何か。

〈民主主義もまた始まり、おそらくある仕方で哲学が始まるのだ〉 哲学と教育を根本から問い直したデリダの闘争は、哲学の新たな可能性を切り拓いた。全二巻。

目次

特権 正当化のタイトルと導入的な注記
1 「〜の権利」、「〜への権利」——制度的前提
2 地平と設立、二つの哲学的企図(国際哲学コレージュの事例)
3 「哲学」という名、哲学に対する関心
4 来たるべき民主主義——言語の権利、言語への権利
5 境界線の通過——哲学を宣言する
6 「通俗的な口調」について——あるいは、実況(直接話法)の哲学について(指向と方向——権利、厳格さ、厳密さ、直線、規則性)
7 あくまでも自分自身で——それゆえ、もう一度、あくまでもカントによって——自らを権威づけること
8 超象徴的なもの——最終審級の法廷
9 客観性、自由、真理、責任

第I部 誰が哲学を恐れるのか
教員団体はどこで始まり、いかに終わるのか 
  補遺 哲学教育研究グループ設立のための事前計画/GREPHの運営方法(定款) 
哲学教育の危機
ヘーゲルの時代
  ヘーゲルとクザンの対応関係
  ヘーゲルの遺産と彼が確立したものの将来
  哲学への権利の諸原理
哲学とその学級
  抑圧された哲学
  哲学の擁護
  哲学の年齢
  今日の前線
分裂する教師団体  「ヌーヴェル・クリティック」誌への回答
全国三部会の哲学
  補遺  呼びかけ/「暗い展望」/手始めに/哲学の全国三部会

原註
訳註

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