みすず書房

もっとも崇高なヒステリー者

ラカンと読むヘーゲル

LE PLUS SUBLIME DES HYSTERIQUES

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 368頁
定価 7,040円 (本体:6,400円)
ISBN 978-4-622-07973-6
Cコード C3010
発行日 2016年3月18日
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もっとも崇高なヒステリー者

哲学、精神分析、政治、経済、文化など、異なる領域を一挙に論じ、鮮やかな読解と多数の著作を誇るジジェク。本書には、そうしたジジェクの跳躍の源泉となる思考が凝縮されている。
ジジェク理論の土台は3つ——哲学、精神分析学、政治学である。その立役者はヘーゲル、ラカン、マルクスである。ジジェクはこの3者を架橋し、新たな思考の道を見いだす。
その鍵を握るのが、「もっとも崇高なヒステリー者」ヘーゲルである。ラカンの諸概念に照らし出されたヘーゲルは、哲学史上もっとも崇高なヒステリー者として現れる。そしてマルクスの貨幣論とラカンの「対象a」概念の結節点となり、全体主義や民主主義への問いに接続する道が拓かれていく。

〈本書の最終的な主張は、ラカンの学説が政治イデオロギー的な理論の萌芽を含んでいることを示す点にある。〔…〕ここには、現代思想の大きな謎のひとつがある。おそらくこの謎に対する解は、なぜラカンの真にヘーゲル主義的な地平が無視されてきたのかという、もうひとつの謎に対する解となる〉

本書はジャック=アラン・ミレールの下で書かれた博士論文をもとにしたものである。ジジェクのその後の著作がなぜこれほど世界で読まれるようになったのか、その答が本書に胚胎されている。ジジェクの思索のすべてが凝縮された重要書。

目次

序 不可能な絶対知

〈ラカンと読むヘーゲル〉
第1章 「形式の側」——理性 対 悟性
第2章 遡行的遂行性、あるいはいかにして偶然的なものから必然的なものが生じるか
第3章 弁証法、シニフィアンの論理(1)——自己言及としての一なるもの
第4章 弁証法、シニフィアンの論理(2)——現実的なものの「三つ組」
第5章 なかったことにすること——ラカンはいかなる点でヘーゲル的か
第6章 「理性の狡知」、あるいはヘーゲルの目的論の真の本質
第7章 「超感性的なもの、それは現象としての現象である」あるいはヘーゲルはいかにしてカントの「もの自体」を超えたのか
第8章 なぜ絶対知が分割するものであるかを把握させてくれるヘーゲル的な小話二つ

〈いくつかのポストヘーゲル的な行き止まり〉
第9章 商品‐形式の秘密——マルクス、彼はなぜ症状を発見したのか
第10章 夢と幻想の間のイデオロギー——「全体主義」を境界づける第一の試み
第11章 神的精神病、政治的精神病——「全体主義」を境界づける第二の試み
第12章 二つの死の間——「全体主義」を境界づける第三の試み
第13章 イデオロギー的な綴じ止め——なぜラカンは「ポスト構造主義者」ではないのか
第14章 名指しと偶然性——英語圏におけるヘーゲル

訳註
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訳者あとがき