みすず書房

手話を生きる 電子書籍あり

少数言語が多数派日本語と出会うところで

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 272頁
定価 2,860円 (本体:2,600円)
ISBN 978-4-622-07974-3
Cコード C0037
発行日 2016年2月19日
電子書籍配信開始日 2016年7月 8日
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手話を生きる

手話という少数言語。手話が存在することによって、聞こえない子——ろう児は、ろう児として、そのままの自分で、聞こえる子とおなじように学び、遊び、よろこび、悲しみ、育つことができる。日本語と対等の力をもつ手話という言語があるから、聞こえないことは障害ではなく、むしろ少数派なのだといえる。
日本のろう者・ろう児の母語である「日本手話」で授業を行い、手話と日本語のバイリンガル/バイカルチュラルろう教育を実践する日本初にして唯一の学校、明晴学園。著者はジャーナリストとして前進であるフリースクールの立ち上げから関わり、のちには明晴学園の内側に身をおいて日本手話と日本語、ひろく言語の世界に思いを向けつづけてきた。
ろう教育の歴史、手話という言語が乗り越えてきた、そして今も向き合っている困難、言語学からみる手話、人工内耳など近年の最新動向……ろう者・ろう児とその親、教育者、日本手話の話者・通訳者、手話言語学の研究者など多方面へのインタビュー、欧米の事例や研究成果、国内外の文献、そして何より「手話を生きる」子どもたちのことばをとおして、過去から未来へ現在進行形で変わりつつある手話の世界を描く。

目次

二つの世界

1 手話が現れるとき
  ろうがいい/朝の会/手話の学校/幸運な出会い/読売新聞紙上の論争/授業参観の日に/権威の衣/ミラノ会議/手話によるインプット/トータル・コミュニケーション/台頭するバイリンガル

2 自然言語としての手話
  ストーキーの発見/自然言語に優劣はない/民間信仰から言語科学へ/二言語基底共有説/バンクーバー決議/ことばの里親/「ランゲージ」誌論文の波紋/人工内耳を生かす自然手話/バイモーダル・バイリンガル

3 ろう者の手話と聴者の手話
  八潮「たんけん」/手話付きスピーチ/日本手話の発見/日本語対応手話の席巻/頭のなかの言語/変化の兆し/手話を生きる

4 手話の本来の姿
  和光大学での論争/人権救済の申し立て/内からの否定/フリースクールへの胎動/龍の子学園/教育特区のもとで/よみがえる手話/伏流の文化言語モデル/ろう社会の混乱/先端の手話言語学/手話はローコンテキストか/ジョイスに手話を

5 手話言語の試練
  サケのピリカ/感覚のポリティクス/日本語中心主義/二つの言語のはざまで/私たちは何をしたのか

あとがき

書評情報

中村桂子
毎日新聞2016年3月20日(日)
稲泉連(ノンフィクションライター)
読売新聞2016年4月10日(日)
竹田学(東京堂書店神田神保町店)
AERA2016年4月4日号
渡邊十絲子
婦人公論2016年5月10日号
日本経済新聞
2016年5月1日(日)
星野智幸
朝日新聞2016年5月1日(日)
綾屋紗月(東京大学先端科学技術研究センター特任研究員)
母の友2016年9月
蒲原順子(福岡大学非常勤講師)
新英語教育2016年9月号