「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



磁力と重力の発見 2

ルネサンス

著者
山本義隆

古代以来、もっぱら磁力によって例示されてきた〈遠隔力〉は、近代自然科学の誕生をしるしづける力概念の確立にどのように結びついていったのか。第2巻では、従来の力学史・電磁気学史でほとんど無視されてきたといっていいルネサンス期を探る。

機械論・原子論的な要素還元主義と、物活論・霊魂論的な有機体的全体論のふたつの自然観がせめぎあった古代ギリシャのあと、ローマ時代からキリスト教中世にかけては後者が圧倒的優勢を誇る。ではその次にくるルネサンスの時代に遠隔力の観念を担い、近代初頭へとひきついだものはいったい何だったのだろうか。ガリレイやデカルトの機械論哲学がアリストテレス‐スコラにとってかわる新哲学として現れて、科学革命をなしとげたなどという単純な図式は、とうてい成り立たないのではないか。

本書は技術者たちの技術にたいする実験的・合理的アプローチと、俗語による科学書執筆の意味を重視しつつ、思想の枠組としての魔術がはたした役割に最大の注目を払う。脱神秘化する魔術と理論化される技術。清新の気にみちた時代に、やがてふたつの流れは合流し、後期ルネサンスの魔術思想の変質――実験魔術――をへて、新しい科学の思想と方法を産み出すのである。


目次


第九章 ニコラウス・クザーヌスと磁力の量化
1 ニコラウス・クザーヌスと『知ある無知』
2 クザーヌスの宇宙論
3 自然認識における数の重要性
4 クザーヌスの磁力観

第十章 古代の発見と前期ルネサンスの魔術
1 ルネサンスにおける魔術の復活
2 魔術思想普及の背景
3 ピコとフィチーノの魔術思想
4 魔力としての磁力
5 アグリッパの魔術――象徴としての自然

第十一章 大航海時代と偏角の発見
1 「磁石の山」をめぐって
2 磁気羅針儀と世界の発見
3 偏角の発見とコロンブスをめぐって
4 偏角の定量的測定
5 地球上の磁極という概念の形成

第十二章 ロバート・ノーマンと『新しい引力』
1 伏角の発見
2 磁力をめぐる考察
3 科学の新しい担い手
4 ロバート・レコードとジョン・ディー

第十三章 鉱業の発展と磁力の特異性
1 一六世紀文化革命
2 ビリングッチョの『ピロテクニア』
3 ゲオルギウス・アグリコラ
4 錬金術に対する態度
5 ビリングッチョとアグリコラの磁力認識

第十四章 パラケルススと磁気治療
1 パラケルスス
2 パラケルススの医学と魔術
3 パラケルススの磁力観
4 死後の影響――武器軟膏をめぐって

第十五章 後期ルネサンスの魔術思想とその変貌
1 魔術思想の脱神秘化
2 ピエトロ・ポンポナッツィとレジナルド・スコット
3 魔術と実験的方法
4 ジョン・ディーと魔術の数学化・技術化
5 カルダーノの魔術と電磁気学研究
6 ジョルダノ・ブルーノにおける電磁力の理解

第十六章 デッラ・ポルタの磁力研究
1 デッラ・ポルタの『自然魔術』とその背景
2 文献魔術から実験魔術へ
3 『自然魔術』と実験科学
4 『自然魔術』における磁力研究の概要
5 デッラ・ポルタによる磁石の実験
6 デッラ・ポルタの理論的発見
7 魔術と科学


著訳者略歴

山本義隆
やまもと・よしたか

1941年大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。現在学校法人駿台予備学校勤務。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

英訳版、刊行

Yoshitaka Yamamoto, THE PULL OF HISTORY: Human Understanding of Magnetism and Gravity through the Ages (World Scientific, 2018).
http://www.worldscientific.com/worldscibooks/10.1142/10540
2018年2月刊行です。

編集者からひとこと

『磁力と重力の発見』では、古代ギリシャ・ローマにはじまり17世紀にいたる「科学革命前史」が解き明かされます。とくにその第2巻であつかわれた1500年代ルネサンスの探究をいちだんと深め、17世紀科学革命に先行する「16世紀文化革命」という仮説をうちたてた次著が、その名も『一六世紀文化革命』(全2巻、2007年5月刊)。 ...続きを読む »

書評情報

<週刊新潮「東大「全共闘」元議長が書き下ろした「大著」」 2003年6月19日号>
佐々木力<東京新聞 2003年6月22日(日)>
橋本克彦(ノンフィクション作家)
<日産フラッシュジャーナル 2003年6月23日(月)放送>
<河北新報「新刊抄」(ほか共同通信配信) 2003年6月29日(日)>
<京都新聞 2003年7月6日(日)>
山形浩生(評論家)
<朝日新聞 2003年7月20日(日)>
(抜粋) ≫
金森修<週刊読書人「上半期の収穫」 2003年7月25日(金)>
佐々木力<週刊読書人「上半期の収穫」 2003年7月25日(金)>
池内了<信濃毎日新聞 2003年7月27日(日)>
山形浩生<CUT「今月の一冊」 2003年7月号>
小松美彦<図書新聞「上半期読書アンケート」 2003年8月2日(土)>
林真理<図書新聞「上半期読書アンケート」 2003年8月2日(土)>
<SAPIO「夏休みに楽しむ「宇宙と科学」話題の本12冊」 2003年8月6日号>
レトロ・一太郎<BOUNDARY 2003年8月号>
池内了<bk1連載コラム「私の読書日記」第28回 2003年8月>
野家啓一(東北大学教授・哲学専攻)
<週刊読書人 2003年9月12日(金)>
(抜粋) ≫
伊藤隆太郎<Asahi Shimbun Weekly AERA 2003年9月15日号>
猪野修治(湘南科学史懇話会代表)
<科学・社会・人間 第86号(2003年9月)>
高橋源一郎<新潮「タイムマシンとしての小説」(保坂和志と対談) 2003年9月号>
浅羽雅晴(読売新聞編集員)
<読売新聞 2003年10月19日(日)>
河本英夫(東洋大学文学部哲学科)
<科学 2003年10月号>
(抜粋) ≫
田口善弘(中央大学理工学部/理工学研究所)
<数学セミナー「科学を読む(19)」 2003年10月号>
<毎日新聞「第57回毎日出版文化賞 受賞図書」 2003年11月3日(月)>
道浦母都子(歌人)
<朝日新聞(大阪)夕刊(東京11月29日(土)) 2003年11月8日(土)>
<下野新聞「在野の賞 本当にうれしい」(ほか共同通信配信) 2003年11月18日(火)>
<毎日新聞夕刊「受賞者 喜び語る 毎日出版文化賞贈呈式」 2003年12月4日(木)>
政+天<京都大学新聞 2003年12月16日(火)>
<朝日新聞夕刊「素粒子」 2003年12月18日(木)>
池内了<信濃毎日新聞「今年の1冊」 2003年12月28日(日)>
澤井繁男<羚Rei 第9号(2003年秋)>
最首悟(和光大学教員)
<図書新聞 2004年1月17日(土)>
後藤正治(ノンフィクション作家)
<読売新聞「評判記」 2004年1月18日(日)>
<日本経済新聞「春秋」 2004年1月21日(水)>
<朝日新聞「天声人語」 2004年1月25日(日)>
<朝日新聞「大佛次郎賞」 2004年1月29日(木)>
<東京新聞「この人」・北海道新聞「ひと」(ほか共同通信配信) 2004年1月30日(金)>
<朝日新聞「天声人語」 2004年1月30日(金)>
澤井繁男<中学教育 2004年1月号>
正高信男(認知科学者)
<読売新聞「評判記」 2004年2月1日(日)>
<Asahi Shimbun Weekly AERA 2004年2月2日号>
<日本経済新聞「文化往来」 2004年2月2日(月)>
<静岡新聞「人気です」 2004年2月8日(日)>
<京都新聞 2004年2月8日(日)>
竹内靖雄(成蹊大学教授)
<現代 2004年3月号>
山形浩生<diatxt(京都芸術センター) 第12号(2004年4月)>
竹内啓一<地理 2004年4月号>
河田聡(大阪大学教授/理化学研究所主任研究員)
<日経サイエンス「フレッシュマンのための読書ガイド」 2004年5月号>
<論座「第30回大佛次郎賞受賞記念講演 十六世紀文化革命」 2004年5月号>
池内了<文學界 特集「「磁力と重力の発見」はこう読む」 2004年6月号>
(抜粋) ≫
野家啓一<文學界 特集「「磁力と重力の発見」はこう読む」 2004年6月号>
中村薫(川崎市立川崎病院泌尿器科部長)
<臨床看護「ほんのひととき」 第30巻9号(2004年8月)>
大門亘<日本大学医学部一般教育研究紀要 第32号(2004年12月)>
肥沼茂夫<月刊天文 2004年12月号>
三中信宏(農業環境技術研究所 地球環境部)
<生物科学 2004年第55巻4号>
江沢洋<日本物理学会誌 2004年第59巻5号>
(抜粋) ≫
横山雅彦<科学史研究 2004年第43号>
<SUNDAI FRONTIER「誌上講演 磁力から万有引力の発見へと連なる先人たちの歩み」 2004年第1号>
長内芳子(元駿台予備学校英語科講師)
<駿台フォーラム 第22号>
川西勝美(駿台予備学校世界史科講師)
< >
最首悟(和光大学教授、駿台予備学校論文科講師)
< >
<月刊丸の内「丸の内流 速読2004年 文学賞受賞作品を読む」 2005年1月号>
坂井秀隆(東京大学大学院数理科学研究所)
<数学セミナー「本の散歩道(4)」 2005年7月号>
与謝野馨(自由民主党政務調査会長)
<文學界「私の読書遍歴(28)」 2005年10月>
内村直之<朝日新聞「素粒子の狩人(5)」 2009年4月10日(金)夕刊>
<朝日新聞「ゼロ年代の50冊〔初回〕」 2010年4月4日(日)>
近藤康太郎<朝日新聞「ゼロ年代の50冊〔第4回〕」 2010年4月25日(日)>

関連リンク

この本の関連書


「磁力と重力の発見 2」の画像:

磁力と重力の発見 2

「磁力と重力の発見 2」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁
定価 3,300円(本体3,000円)
ISBN 4-622-08032-X C1340
2003年5月22日発行

この本を購入する