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大人の本棚

チェスの話

ツヴァイク短篇選

SCHACHNOVELLE UND ANDERE


「児玉さんはツヴァイクが好きだった。ドイツ文学科の学生のころ、辞書と首っぴきで全集をあらまし読み終えたという。大学院に進み、学者の道を歩むはずだったが、ひょんなことから俳優になり、ドイツ文学と縁遠くなっても、おりにつけツヴァイクは読んでいた。俳優のかたわら無類の本好きとして書評や本をめぐるエッセイを綴るとき、何かのときにツヴァイクの名前が出てきた」(池内紀)
〈われらの書痴児玉清〉がもっとも愛した表題作「チェスの話」をはじめ、歴史的状況と人間心理への洞察に満ちた名作3篇を収録する。第一次大戦とインフレを背景にして、盲目の版画コレクターと博識のユダヤ人愛書家が辿る悲惨な運命を描いた2篇「目に見えないコレクション」と「書痴メンデル」。弁護士の奥方の不倫を扱った、いかにもウィーン風の風俗劇たる「不安」。そして1941年、ツヴァイクが亡命の途上で書いた最後の小説「チェスの話」、これはナチスの圧制下でホテルに軟禁されたオーストリアの名士を主人公にした、一冊のチェスの本をめぐって展開する陰影に満ちた物語である。両大戦間で、よき市民=ふつうの読書人に愛読された作家の傑作選。


目次


目に見えないコレクション
書痴メンデル
不安
チェスの話

解説(池内紀)


著訳者略歴

シュテファン・ツヴァイク
Stefan Zweig

作家。1881年、オーストリアのウィーンに、ユダヤ系の裕福な紡績工場主の息子として生れる。ウィーン大学で哲学を学び、第一次世界大戦中は、ロマン・ロランとともに反戦平和の活動に従事する。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
辻瑆
つじ・ひかる

1923年に生れる。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。東京大学名誉教授。ミュンヘン大学名誉評議員。編著『カフカの世界』(荒地出版社、1971)、訳書 F・カフカ『審判』(岩波文庫、1966)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
関楠生
せき・くすお

1924年静岡県に生れる。1946年東京大学文学部ドイツ文学科卒業。東京大学名誉教授。獨協大学名誉教授。訳書 シュライバー『道の文化史』(岩波書店、1962)ペトリ『白バラ抵抗運動の記録』(未來社、1971)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
内垣啓一
うちがき・けいいち

1925年京都に生れる。1950年京都大学文学部ドイツ文学科卒業。東京大学名誉教授。1989年歿。演劇・オペラの翻訳・評論・演出等多数あり。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
大久保和郎
おおくぼ・かずお

1923年東京に生れる。慶應義塾大学文学部中退。独・仏文学を専攻。1975年歿。訳書 ハナ・アーレント『全体主義の起原』1・3(1972、74)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
池内紀
いけうち・おさむ

1940年、兵庫県姫路市生れ。ドイツ文学者、エッセイスト。主な著訳書に『カフカの生涯』(白水社)、『祭りの季節』(みすず書房)、『カフカ短篇集』(岩波文庫)、ゲーテ『ファウスト』(集英社)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

松山巖(作家)
<中央公論「新刊この一冊」 2011年11月号>
<信濃毎日新聞 2011年11月6日(日)>
松山巌(評論家)
<読売新聞「2011年の3冊」 2011年12月25日(日)>
<Z-Line(Z会) 2012年2月号>

この本の関連書


「チェスの話」の画像:

チェスの話

「チェスの話」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/256頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-622-08091-6 C1397
2011年8月19日発行

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