みすず書房

トレブリンカの地獄

ワシーリー・グロスマン前期作品集

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 392頁
定価 5,060円 (本体:4,600円)
ISBN 978-4-622-08585-0
Cコード C0097
発行日 2017年5月25日
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トレブリンカの地獄

20世紀ロシア文学の珠玉『人生と運命』の作家ワシーリー・グロスマン。第二次世界大戦の終結前後までに執筆、あるいは構想されたルポルタージュ・小説・戯曲を収載する。

グロスマンは市民として社会主義国家建設に参加し、そのために努力しながら、次第にスターリン体制批判に転じていった。
独ソ戦末期に赤軍記者としてナチの絶滅収容所を報じた『トレブリンカの地獄』。
著者の故郷ウクライナを舞台に、ホロコーストを描いた世界最初の作品となった傑作小説「老教師」。
男まさりの女性政治局員がユダヤ人集落で出産にいたる日々をユーモアたっぷりに描く「ベルディーチェフの町で」。
行きずりの情事を経験した兵士の二日間「女」。
革命の空洞化と官僚主義、同じことをくり返す人間の業を目の当たりにして、歴史は進歩するのか循環するのかと、登場人物が問う戯曲「ピタゴラスを信じるなら」。

戦時下という極限状況で、人はどのようにふるまったのか。自由や優しさや善良さとは何なのか。グロスマンの作品には、19世紀ロシア文学の歴史小説の伝統が引き継がれている。
『システィーナの聖母 ワシーリー・グロスマン後期作品集』(齋藤紘一訳)と全二巻。

目次

I ルポルタージュ
ユダヤ人のいないウクライナ 
トレブリンカの地獄

II 短篇小説
ベルディーチェフの町で

若い女と老いた女
しばらくの悲しい日々
チェーホフの眼で

老教師

III 戯曲
ピタゴラス派を信じるなら

希望と幻滅──歴史を生きた人びとを描く  中村唯史
ユダヤの運命と共にあったロシア作家  赤尾光春
主要参照文献

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