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全体主義の起原 2【新版】

帝国主義

THE ORIGINS OF TOTALITARIANISM

Imperialism


[電子書籍も9月29日配信開始予定]
〈警察を最高の国家権力にまでのし上がらせた全体主義政権は、個人の犯した罪とは無関係に最初からグループとして法の埒外に立たされた大集団に対する支配を基礎として警察権力を強化することに、当然ながら明白に利益を見出していた。ナチ・ドイツではニュルンベルク法が帝国市民(完全な市民)と国籍所有者(政治的権利のない第二級の市民)との区別を設けたが、これによってついにはすべての「異種血統の」国籍所有者が命令により国籍を剥奪される道が均(なら)されたのである。…他方、非全体主義諸国における無国籍者グループの増大は、警察によって組織される無法状態の一つの形式を発展させた。この無法性は世にも平和な方法で自由諸国を全体主義国に似たものに変えてしまった…
こうして人々は特に次の点を看過してしまった。すなわちユダヤ人問題のヒトラー流の解決――まずドイツ・ユダヤ人をドイツにおける非公認の少数民族の地位に追い込み、次には無国籍者にして国境から追放し、最後にはふたたびひとり残さず寄せ集めて絶滅収容所に送り込んだ――は少数民族問題と無国籍者問題のすべてを現実に「処理」し得る方法を全世界に向かってこの上なく明確に示したということである〉

国民国家の崩壊、民族主義の台頭、資本家とモッブの同盟、難民の出現… 第一次大戦に連なり、全体主義の素地をつくった帝国主義とは?


目次


新版にあたって――凡例

まえがき(1968年の英語分冊版より)

第五章 ブルジョワジーの政治的解放
1 膨脹と国民国家
2 ブルジョワジーの政治的世界観
3 資本とモッブの同盟

第六章 帝国主義時代以前における人種思想の発展
1 貴族の「人種」 対 市民の「ネイション」
2 国民解放の代替物としての種族的(フェルキッシュ)一体感
3 ゴビノー
4 「イギリス人の権利」と人権との抗争

第七章 人種と官僚制
1 暗黒大陸の幻影世界
2 黄金と血
3 帝国主義的伝説と帝国主義的性格

第八章 大陸帝国主義と汎民族運動
1 種族的(フェルキッシュ)ナショナリズム
2 官僚制――専制の遺産
3 政党と運動

第九章 国民国家の没落と人権の終焉
1 少数民族と無国籍の人々
2 人権のアポリア

原註
参考文献
事項索引
人名索引


著訳者略歴

ハンナ・アーレント
Hannah Arendt

1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
大島通義
おおしま・みちよし

1929年に生まれる。1952年慶應義塾大学経済学部卒業。慶應義塾大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
大島かおり
おおしま・かおり

1931年に生まれる。東京女子大学文学部卒業。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「全体主義の起原 2【新版】」の画像:

全体主義の起原 2【新版】

「全体主義の起原 2【新版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/424頁
定価 5,184円(本体4,800円)
ISBN 978-4-622-08626-0 C1031
2017年8月23日発行

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