イングリッシュネス
英国人のふるまいのルール
WATCHING THE ENGLISH
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 224頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-08660-4 |
Cコード | C0098 |
発行日 | 2017年11月10日 |
WATCHING THE ENGLISH
判型 | 四六判 |
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頁数 | 224頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-08660-4 |
Cコード | C0098 |
発行日 | 2017年11月10日 |
名乗りながら笑顔でイギリス人に手を差し出したとき、鼻に皺をよせてあいまいな笑みが返ってきても、肩すかしをくった気分になることはない。どんな仕事をしているのか、結婚はしているか……知りたくても、尋ねてはいけない。「推理ゲーム」「相互情報開示計画」に参加して外側からじわりじわりと正解にたどりつくのがルール。
パブで、いつ果てるともしれぬ客同士の応酬——自慢し合い、罵り合いを目の当たりにしても、はらはらするにはおよばない。カウンターに群がる客の中で、注文をとってもらおうと手をあげてウェイターを呼んだら顰蹙をかう。そこには「パブでの会話」の、「見えない列」の、「パントマイム」のルールが存在している。
晴れていようが吹雪こうが会えばまず天気の話。感情をあらわにすることを避け、ひとこと話すにも独特のユーモアとアイロニー。これを使ったが最後「下の階級」の烙印を押されてしまう7つの言葉とは…… 男性・女性を問わず、あらゆる年代、階級の英国人のふるまいと会話を人類学の手法によって観察し、隠れたコードを導き出すことで、イギリス文化をかろやかな筆致で描いた本書は、第一版刊行より10年来のベストセラー。本書はその前半を収める。
後半も刊行 『さらに不思議なイングリッシュネス——英国人のふるまいのルール 2』はこちら
序 日常生活の人類学
イングリッシュネスの「文法」
参与観察とその欠点
良い、悪い、しっくりしない
わたしの家族、および他の実験用モルモット
信用して。わたしは人類学者です
退屈だが重要
文化の性質
ルール作り
グローバリゼーションとトライバリゼーション
階級と民族
ブリティッシュネスとイングリッシュネス
ステレオタイプと文化的ゲノム
1 天候
天候の話のルール
応答が大事
天候の話が登場する場面
天候の話には同意すること
同意ルールの例外
天候のヒエラルキー
雪と節度
天候は家族
天候の話とイングリッシュネス
2 グルーミング・トーク
紹介
ぎごちなさ
名乗らない
「お目にかかれて幸いです」にかかわる問題
きまり悪さ
イギリス的ゴシップ
プライバシー
推理ゲーム
距離
相互的開示計略
プライバシーの例外
活字という例外/インタネットという例外
イギリス人のゴシップにおける性差
声のトーン/ディテール/フィードバック/イギリス人男性:感情表現および三つの感情のルール
絆(ボンド)を深めあう会話
女性のボンディング・トーク——褒めことばのやりとり
男性のボンディング・トーク——「ぼくのほうがきみのよりもいい」
そして最後に……長いお別れ
グルーミング・トークとイングリッシュネス
3 ヒューモア(ユーモア)・ルールズ
むきにならないこと
隠れた愛国心
「やめてよ」
アイロニー
アンダーステートメント
卑下する
ユーモアとコメディ
ユーモアと階級
ユーモアとイングリッシュネス
4 言語と階級
母音と子音
用語——U言語と非U言語再考
七つの大罪
パードン/トイレット/セルヴィエット/ディナー/セティ/ラウンジ/スイーツ
「スマート」と「コモン」
階級の否定
階級的言語コードとイングリッシュネス
5 パブの作法
パブでの会話
社交性
見えない列
パントマイム
パントマイム・ルールの例外
プリーズとサンキュー
「あなたもどうです?」——対等主義の原則
常連の会話
挨拶
コード化されたパブでの会話/パブでの口論/自由連想法
パブの作法とイングリッシュネス
6 競馬
競馬場での会話
紹介
謙遜
礼儀
嘆き
レースのあとの反省
金の話はタブー
競馬場での会話に見るイングリッシュネス
訳者あとがき
参考文献
索引