みすず書房

さらに不思議なイングリッシュネス

英国人のふるまいのルール2

WATCHING THE ENGLISH

判型 四六判
頁数 248頁
定価 3,960円 (本体:3,600円)
ISBN 978-4-622-08876-9
Cコード C0098
発行日 2020年1月10日
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さらに不思議なイングリッシュネス

老若男女、あらゆる階級のイギリス人のふるまいと会話を、人類学の参与観察の手法で徹底的に観察・分析、隠れたコードとルールを導き出してベストセラーとなった著者代表作の前半を収めた『イングリッシュネス』。続く本書『さらに不思議なイングリッシュネス』では、原書後半より6つの章と結論を収録した、いわば〈応用編〉ないし〈実践編〉。
新居に招き、招かれたら何を言うか、言ってはいけないか。ビジネスの場で彼らのつぶやく「あ、そういえば」を聞き流したら泣きをみる。葬儀の席で最適の涙の量は? 有名人とのツーショットを家のどこに飾る? イギリス人とペット、イギリス人とセックス、イギリス人と英国国教会……
階級という堅固な地盤の上、イギリス人の生息するあらゆる場で、イングリッシュネスの基本的ルールがどう発動されるかを、徹底検証。

目次

1 住居
濠と跳ね橋
巣作り
  縄張りのマーキング
住居と階級
  マッチした色、新品
  見せびらかしたい物
家という話題
  「悪夢」
  家の価格
  家の手入れの話
  家の話題と階級
  ひどい不動産業者

  「自分の前庭は、楽しんではならない」
  前庭と近所づきあい
  裏庭
  庭と階級
  階級指標および逸脱
住居とイングリッシュネス

2 路上
公共交通機関
  否認
  拡大する接触回避の方法
丁重さ
  「消極的礼儀」
  人にぶつかる実験と反射的謝罪
  P(「プリーズ」)とQ(「サンキュー」)
行列
  不満の間接的表現
  パントマイムと目に見えぬ振付師
  フェアプレイ
  無言の怒り
  祝祭的行列
  きわめてイギリス的な哀悼
自動車
  車種の選択と階級
    モンデオ・テスト/ベンツ・テスト
  車の手入れ、車内の状態
  車は動く城
  ロードレイジとノスタルジア症候群
路上に見るイングリッシュネス

3 仕事
混淆
  ビスケット社長の寓話
ビジネスとユーモア
  むきにならないこと
  アイロニーとアンダーステートメント
謙遜、および広告
礼儀正しくぐずぐずと
お金の話はタブー
  「トレード」(商売)蔑視
節度
  プチブル的、分別ある安全志向
  今楽しむよりも将来の安定
  過度の節制の危険
フェアプレイ
嘆き
  月曜日の朝の嘆き
  嘆きの種——時間と会議
  嘆く真似と決まり文句「こんなものだ」
仕事のあとの一杯
仕事とイングリッシュネス

4 余暇
個人的、家庭的娯楽
  家と庭
  テレビ
  メロドラマ
  シチュエーション・コメディ(シットコム)
  読書
  新聞
  サイバースペース
  ペットとペチケット
公共的、社交的娯楽——補助装置や潤滑油の必要
  ゲームのルール
    補助装置と潤滑油/自己欺瞞
  ゲームの作法
  フェアプレイ
  敗者
  クラブ
反社会的娯楽 泥酔
余暇とイングリッシュネス

5 セックス
反射的ユーモア
フラテーション
  SASテスト
    パブ/ナイトクラブ/パーティ/職場/学習の場/スポーツ、クラブ、趣味活動への参加/観劇・観戦/独身者向けイベント、結婚相談所、「デート」は禁句/サイバースペース:その識閾効果
儀礼的フラテーション
曖昧主義
バンター
男同士の絆——女の品定め
階級
  階級同族婚
  上昇婚
  労働者階級のセックス神話
そしてベッドへ……
  ルール適用外の場
セックスとイングリッシュネス

6 冠婚葬祭
宗教をめぐる規定事項
温和な無関心
誕生、結婚、死
  フォーマルは苦手、インフォーマルも苦手
  洗礼
  結婚
    結婚と金
  葬儀——ユーモアの封印
    タブーの留保と適量の涙
階級
  労働者階級の冠婚葬祭
  下層中産階級と中層中産階級
  上層中産階級
  上流階級
  負け惜しみ
冠婚葬祭とイングリッシュネス

結び——イングリッシュネスとは?

エピローグ

謝辞

訳者あとがき
参考文献
索引