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一次愛と精神分析技法【新装版】

PRIMARY LOVE AND PSYCHO-ANALYTIC TECHNIQUE


精神分析学の歴史は、ウィーン、ブダペスト、ロンドン、ベルリンなど各都市のそれぞれが果たした役割抜きには語れない。ブダペストに生まれ育った本書の著者バリントは、その地に依拠しつつ、若き日に理論色の濃いベルリンの雰囲気に触れ、ナチスドイツを逃れてロンドンに亡命して、後半生を送った。恩師フェレンツィの考えと実践を継承・発展しながら、各都市の学派の「セクト主義」を排して活動してきた著者は、その対象関係論をはじめとして、フロイト以後の世代の最も重要な精神分析医になった。
本書はその生涯の活動を刻印した主著であり「自我の初期発達段階、一次対象愛」「エロスとアフロディテ」「愛と憎しみについて」など欲動と対象関係をあつかった第1部と、「性格分析と新規蒔き直し」「精神分析治療の最終目標」「転移と逆転移」など技法の問題を論じた第2部、それに第3部・訓練の問題の全20章から成る。親と子、男と女、さらに同性の間で交感される愛と性と「やさしさ」について透徹した分析を加えたこの書を、専門家以外の読者にも提供したい。

「本書が中井久夫氏らの訳で世に出るのは、著者にも読者にも、また著者と浅からぬ縁のあった私にも、大変な幸運である」(土居健郎)


[初版1999年3月18日発行]


目次


初版への序文
第二版への序文
(付)ドイツ語版への序文

第一部 欲動と対象関係
第1章 生物発生基本原則と性心理とには平行性がある
第2章 自我欲動のエロス成分についての二覚書
第3章 リビドーの前性器的編成の理論に対する批判的覚書
第4章 エロスとアフロディテ
第5章 自我の初期発達段階、一次対象愛
第6章 母への愛と母の愛(アリス・バリント著)
第7章 性器愛について
第8章 愛と憎しみについて
第9章 倒錯と性器性
第10章 親と幼児の関係論――シンポジウムでの発表

第二部 技法の問題
第11章 性格分析と新規蒔き直し
第12章 感情転移について
第13章 精神分析治療の最終目標
第14章 自我の強さ、自我の教育、「学習」
第15章 転移と逆転移(アリス・バリントとの共著)
第16章 治療目的と技法との変遷
第17章 分析の終結について
第18章 新規蒔き直しと妄想抑鬱症候群

第三部 訓練の問題
第19章 精神分析家の訓練システムについて
第20章 精神分析訓練と教育分析

バリント私記(中井久夫)
訳者あとがき
原題と初出
事項索引
人名索引


著訳者略歴

マイケル・バリント
Michael Balint

1896年ブダペストに生まれる。ブダペスト大学医学部を卒業後、妻アリスとともにベルリンに移り、ハンス・ザックスの下で教育分析を受ける。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
森茂起
もり・しげゆき

1955年神戸に生まれる。京都大学教育学部大学院博士課程修了。博士(教育学)。現在、甲南大学文学部人間科学科教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
枡矢和子
ますや・かずこ

1941年神戸に生まれる。甲南大学文学部英文学科卒業。1965-1990年、西谷啓治博士に師事、また1981年から1997年までJames Kirwan博士に師事して英文学を学ぶ。主婦、元甲南大学非常勤講師。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中井久夫
なかい・ひさお

1934年奈良県に生まれる。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。著書『中井久夫著作集――精神医学の経験』全6巻別巻2(岩崎学術出版社1984-91)『最終講義――分裂病私見』(1998ほか多数。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「一次愛と精神分析技法【新装版】」の画像:

一次愛と精神分析技法【新装版】

「一次愛と精神分析技法【新装版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/416頁
定価 7,992円(本体7,400円)
ISBN 978-4-622-08696-3 C3047
2018年4月9日発行

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