「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



自己責任の時代

その先に構想する、支えあう福祉国家

THE AGE OF RESPONSIBILITY

Luck, Choice, and the Welfare State




貧困、病気、さらには紛争地に赴いた記者の行為に至るまで、あらゆることに言われるようになった自己責任。人々の直感に訴え正論のようにも響くため、根拠が曖昧なまま濫用されてきた。
本書はこのような自己責任論について、社会の構築と運営という広範で現実的な目的に即して、それが何を誤り、損なっているのかを精緻な分析によって示した、おそらく初めての本である。
自己責任の流行は欧米でも同じだ。それは哲学や社会学における静かな変容とともに始まり、1980年代初頭の保守革命の主要素となった。自己責任論が広く有権者の支持を得ると、意外にも左派政党がこれに追随する。本書はまず、政治における自己責任論の興隆を跡づけ、それが社会保障制度に弱者のあら探しを強いてきた過程を検討する。次に「責任」「選択」「運」をめぐる哲学者の議論をふまえて、被害者に鞭打つ行為をやめさせたい善意の責任否定論が、皮肉にも自己責任論と同じ論理を前提にしていると指摘する。じつはこの前提には、信じられているほどの根拠はない。そしてどちらの議論も的を外していることを明らかにしていく。責任とは懲罰的なものではなく、肯定的なものでありうるのだ。
福祉国家の本来の目的とは何だったか。自己責任論が覆い隠してきたこの原点への顧慮を喚起し、自己責任の時代から離脱するための基盤となる一冊。


目次


序――自己責任の台頭
第1章 責任の時代の起源
第2章 責任の時代の福祉国家
第3章 責任の否定
第4章 責任に価値を認める理由
第5章 ある肯定的な責任像
結語――自己責任の時代を越えて
謝辞

訳者解説
原注
索引


著訳者略歴

ヤシャ・モンク
Yascha Mounk

1982年ドイツのミュンヘン生まれ。ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジを卒業後、ハーヴァード大学で博士号(政治学)を取得。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
那須耕介
なす・こうすけ

1967年京都府生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門は法哲学。著書に『多様性に立つ憲法へ』(編集グループSURE、2014年)、『現代法の変容』(共著、有斐閣、2013年)などがある。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
栗村亜寿香
くりむら・あすか

1987年大阪府生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。現在、同研究科博士後期課程在籍。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

関連リンク

この本の関連書


「自己責任の時代」の画像:

自己責任の時代

「自己責任の時代」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/288頁
定価 3,960円(本体3,600円)
ISBN 978-4-622-08832-5 C1036
2019年11月18日発行

この本を購入する