ランスへの帰郷 電子書籍あり
RETOUR À REIMS
判型 | 四六判 |
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頁数 | 264頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-08897-4 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2020年5月1日 |
電子書籍配信開始日 | 2020年6月22日 |
備考 | 在庫僅少 |
RETOUR À REIMS
判型 | 四六判 |
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頁数 | 264頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-08897-4 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2020年5月1日 |
電子書籍配信開始日 | 2020年6月22日 |
備考 | 在庫僅少 |
本書は自伝の形をとっているが、この社会への鋭い考察である。自由と平等を謳う階級社会。さらには労働者階級と投票、右傾化にも、特に深い分析がなされている。
著者はフランス北東部の都市ランスの貧困家庭に生まれた。13歳で工場勤めを始めた父、小学校を出て家政婦になった母。祖父母もまた極貧の労働者だった。しかし哲学や文学に傾倒し、自身の同性愛を自覚するにつれ、著者は家族から離反してゆく。一族で初めて大学に進み、パリの知識人とも交わるようになった著者は、出自を強く恥じる。ゲイであることよりも、下層出身であることを知られるのが怖かった。
嫌悪していた父の入院と死を機に、著者は数十年ぶりで帰郷する。失われた時間を取り戻すかのように母と語り合う日々。息子が遠ざかったことで、母は苦しんでいた。自ら去ったはずの息子も、別の意味で苦しんでいた。階級社会、差別的な教育制度、執拗な性規範という、日常的であからさまな支配と服従のメカニズムが正常に働く社会。本書はその異様さと、それがもたらす苦しみを、ブルデュー、フーコー、ボールドウィン、ジュネ、ニザン、アニー・エルノー、レイモンド・ウィリアムズらの作品を道標としつつ、自らの半生に浮き彫りにした。仏独ベスト&ロングセラー。