みすず書房

ハンナ・アーレント

〈世界への愛〉の物語

HANNAH ARENDT

For Love of the World, Second Edition

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 912頁
定価 8,580円 (本体:7,800円)
ISBN 978-4-622-08983-4
Cコード C0010
発行日 2021年3月16日
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ハンナ・アーレント

1906年にドイツ、ハノーファーのユダヤ人家庭に生まれてから1975年にニューヨークの自宅で亡くなるまで。少女時代の体験からハイデガー、ヤスパースらと出会う大学時代、ナチス下のドイツから逃亡し、ユダヤ人救援活動をしながらブリュッヒャーやベンヤミンと邂逅し、収容所体験をするパリ時代、そしてアメリカに亡命、『全体主義の起原』を1951年に世に問い、その後『人間の条件』『過去と未来の間』『革命について』の執筆からアイヒマン論争、晩年まで。その生涯の詳細と作品分析と意味について、同時代人のインタビューや膨大な資料をもとにアーレントに直接教わった一番弟子が描く、今でも超えることのできない決定版伝記、第二版。

没後ますます評価の高まる政治哲学者がそのつどの時代に思考し判断し活動したすべてを、共に考えるために。その生き生きとした形姿と言葉を、共に感じるために。アーレント研究の現在をふまえた新たな翻訳で、ここにおくる。

目次

序文
第二版への序文
謝辞

第1部 1906-1933

第1章〈私たちの子〉 1906-1924
ケーニヒスベルクの一族たち
太陽の子に翳りがさす
困難で悲しい歳月
疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)

第2章 影 1924-1929
情熱的な思考
尋常ならぬ、不思議なもの
隣人愛

第3章 ユダヤ人女性としての人生 1929-1933
哲学の擁護者
自伝としての伝記
政治の方向に踏み出す
昼と夜
シオニストたちの抵抗

第2部 1933-1951

第4章 国籍なき者たち 1933-1941
彼女の民族
ハインリヒ・ブリュッヒャー
ファシズムの授業
亡命の途上で

第5章 忠実さは真理のしるしである 1941-1948
環境への順応、さまざまな義務
ユダヤ軍のために
時代の重荷――「最終解決」の歳月
慰め
全体主義の起原

第6章 公的な生活における私的な顔 1948-1951
ヨーロッパ人たち
現在のための政治理論
マルタ・アーレントの死
確証
将来の哲学のための基礎

第3部 1951-1965

第7章 世界のうちに落ち着くこと 1951-1961
二人君主の体制(デュアル・モナーキー)
さまざまな反共主義
アメリカとヨーロッパ――革命をめぐる思考
ヨーロッパでの「賛辞(ラウダティオ)」
アメリカにおけるある論争
世界への愛(アモール・ムンディ)

第8章 後からの癒し――『エルサレムのアイヒマン』 1961-1965
裁判の報告者
悪の陳腐さ
アイヒマン論争
反響
答えられなかった問い

第4部 1965-1975

第9章 暗い時代のアメリカ 1965-1970
〈共和国〉
公共の場への出現
『革命について』
全体主義の再検討
1968年の暴力について
ヤスパースとの別れ
道徳的かつ政治的な活動
ブリュッヒャー

第10章 〈もはやない〉と〈まだない〉――『精神の生活』 1970-1975
哲学の慰め
この考える営み
老年について(De Senectute)
最期の一年
理解する作業

訳者あとがき
ハンナ・アーレント家系図

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写真一覧
索引