いと高き貧しさ【新装版】
修道院規則と生の形式
ALTISSIMA POVERTA

判型 | 四六判 |
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頁数 | 256頁 |
定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-09517-0 |
Cコード | C0010 |
発行日 | 2022年5月19日 |

いと高き貧しさ【新装版】
ALTISSIMA POVERTA
判型 | 四六判 |
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頁数 | 256頁 |
定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-09517-0 |
Cコード | C0010 |
発行日 | 2022年5月19日 |
もしもふるまいや言葉において、生と規則が区別できないとしたら。そして物の使用が所有と無関係で、法の外にある生活が可能だとしたら、どうだろう。
神的なものと人間的なものが織りなす修道院の規則は、教義や掟ではなく、生の次元に位置する体験であった。それは西洋の政治と倫理に影響を与えつづけてきたが、現代はその遺産を考察さえできないでいる。
砂漠の聖者アントニオス。東西教会の代表的教父・バシレイオスとアウグスティヌス。アッシジのフランチェスコと後継の理論家たち。神秘家オリヴィ。イエスの〈貧しさ〉に従う修道者たちは、異端の疑いと背中合わせの中で、清貧の思想を鍛えぬいてきた。
とりわけフランシスコ会の兄弟たちは、所有権を拒否するだけでなく、「いかなる権利ももたない権利」を掲げて、法の外で生きようとした。アガンベンは彼らの言論に、大量消費社会を超える可能性を見る。
生きることがたんなる事実ではなく、生の可能性であるような生。国家という形態をとらない政治の可能性を考えるべく、アガンベンがかねて予告していた〈生のかたち〉、すなわち分離できないほど形式と固く結びつき、「生政治」に回収されない生を構築する探求が、ここに手がけられた。「ホモ・サケル」シリーズの一冊。
[初版2014年10月24日発行]
序文
I 規則と生
1 規則の誕生
2 規則と法律
3 俗世からの逃亡と創憲
閾
II 典礼と規則
1 生の規則
2 口述と書記
3 典礼のテクストとしての規則
閾
III 〈生の形式〉
1 生の発見
2 法権利を放棄する
3 いと高き貧しさと使用
閾
解説 所有することなき使用 上村忠男
訳者あとがき
註
人名索引