みすず書房

カテリーナの微笑

レオナルド・ダ・ヴィンチの母

IL SORRISO DI CATERINA

La Madre di Leonardo

判型 四六判
頁数 690頁
定価 5,940円 (本体:5,400円)
ISBN 978-4-622-09728-0
Cコード C0098
発行日 2024年10月16日
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カテリーナの微笑

歴史家である著者は、フィレンツェ国立古文書館でカフカス出身の奴隷カテリーナの解放証書を発見した。起草者は公証人ピエロ、すなわちレオナルド・ダ・ヴィンチの父であった。
持つものすべて、身体、自由、未来を奪われたチェルケス人の女奴隷。彼女がレオナルドの母なのか。関連史料を総動員して謎を解く、壮大な歴史小説である。
15世紀、光と闇が交錯する地中海世界。少女はカフカスの高原で捕縛され、ドン川河口の古都ターナへ。黄金色のドームが輝くコンスタンティノープルをへて奴隷交易の中心地ヴェネツィア、そしてルネサンスのフィレンツェからヴィンチ村に至る。各章の語り手は、東方を夢見た商人、ガレー船の船長、ロシア人の女奴隷、典籍収集家の騎士、破滅の縁を経験した実業家など、実際に歴史の中に生きた人びとである。
レオナルドは幼少期をカテリーナと過ごした。自然や宇宙の見方、生きとし生けるものへの愛、部族の神話や伝説、天使の美を宿す顔のイメージなどは、母から受け継いだものだ。長い別離のあとで、最期を予感したカテリーナは巡礼団に加わり、息子レオナルドのいるミラノをめざした。
難民、児童労働者、最下層に生きる21世紀のカテリーナは至るところにいる。だから著者は、新発見を学術論文でなく、小説として多くの人に向けて書いたという。

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(本書収載)

『カテリーナの微笑』関連地図1
『カテリーナの微笑』関連地図2
  • 原図:© Carlo Vecce、日本語版作成:緒方裕子(クリックすると拡大します)

目次

1 ヤコブ
2 ヨサファ
3 テルモ
4 ジャコモ
5 マリヤ
6 ドナート
7 ジネーヴラ
8 フランチェスコ
9 アントニオ
10 ピエロ、ふたたびドナート
11 もうひとりのアントニオ
12 レオナルド
13 私

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著者が語る本書紹介動画

AFPBB News(日本語字幕つき、約1分50秒) https://www.afpbb.com/