みすず書房

20世紀ユダヤ思想家 1

来るべきものの証人たち

TEMOINS DU FUTUR

判型 A5判
頁数 368頁
定価 7,480円 (本体:6,800円)
ISBN 978-4-622-07580-6
Cコード C3010
発行日 2011年1月21日
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20世紀ユダヤ思想家 1

ユダヤ教と現代思想——20世紀、この両者の深淵で繰り広げられた知的格闘を、思想家ひとりひとりを光源として、詳細かつ重層的に描き出した新シリーズの第1巻。

「今日、ヘルマン・コーエンの人となりおよびその作品は濃い霧に包まれているように見える。コーエンが20世紀のユダヤ人にとって一つの導きであり続けたという確信、これは無傷なままである」
「ローゼンツヴァイクは『救済の星』の考えを、哲学および神学をめぐる彼の究極的な結論に至るまで引き受けていたのだと見なすことができるのだろうか。この究極的な結論は彼の思想における執拗な謎を指し示している。おそらくこの謎は、彼を読もうとする新しい世代のもとへと、再び戻ってくることになるだろう」
「ただ言えるのは、反発し合いながらも引き合う両極間でのベンヤミンの考察の絶え間ない運動が、引き裂かれたユダヤ教に属していることだけである。絶えず接近されるものの、決して到達されることのない理想のように、一種の漸近線を果てしなく描くユダヤ教に」
コーエン、ローゼンツヴァイク、ベンヤミン。近代において、あくまで形而上学にとどまった3人の、メシアニズムと理性との融和と対立のダイナミズムをたどる。

続巻の2、3巻では、ゲルショム・ショーレム、マルティン・ブーバー、エルンスト・ブロッホ、レオ・シュトラウス、ハンス・ヨナス、エマニュエル・レヴィナスが論じられる。

目次



第1章 ヘルマン・コーエンのユダヤ教——成年者の宗教
哲学者と預言者
哲学者たちの神のための住まい?
相関関係の意味 聖性と歓待の掟
倫理の境界で——哀れみから赦しへ
和解の日
報酬を超えて——メシア的展望
諸国民の時と正義の時代

第2章 世界の夜から《救済》の輝きへ——フランツ・ローゼンツヴァイクの星
建てる息子の回帰
同化から異化へ
ヘーゲルと一九世紀的意味における歴史
イオニアからイエナへ——西洋哲学の思弁的な袋小路
諸時代の経験における世界の物語
追放と〈王国〉
歴史の彼方——イスラエルの残りの者

第3章 ヴァルター・ベンヤミン——歴史の天使と世紀の経験
せむしの小人
カフカの世界における啓示
『城』の影にあるユダヤの伝統
神の記憶に
言語の追放とその修復
神秘劇の着想における自然の嘆き
歴史の天使——救済から救出へ?

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