みすず書房

アイヒマン論争

ユダヤ論集 2

THE JEWISH WRITINGS

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 464頁
定価 7,040円 (本体:6,400円)
ISBN 978-4-622-07729-9
Cコード C3010
発行日 2013年9月20日
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アイヒマン論争

〈問題はわたしが独立しているということです。つまり、一方では、わたしはいかなる組織にも属さないで自分ひとりで語っており、他方では、わたしはレッシングのいうみずから考えること(Selbstdenken)に、わたしの考えではどんなイデオロギーもどんな世論も、そしてどんな「信念」もけっして代理できない思考に、大きな信頼をおいています。わたしの結論にたいしてあなたがどのような反論をおもちであろうとも、それらがわたし自身のものであり、ほかのだれのものでもないことをお気づきにならないかぎり、あなたはそれらを理解なさらないでしょう〉(「アイヒマン論争——ゲルショム・ショーレムへの書簡」より)

みずからを「自覚的パーリア」として位置づけることによって思考し、理解しようとした20世紀を代表する政治哲学者の、ユダヤ関係についての試論を集成。2巻には「われら難民」「パーリアとしてのユダヤ人」「シュテファン・ツヴァイク」「シオニズム再考」「ユダヤ人の郷土を救うために」など、1940年代の名高い試論を筆頭に、1960年代前半、『イェルサレムのアイヒマン』刊行後の大バッシングのさなかに書かれたアイヒマン関係の重要文書類をはじめて収録する。巻末にはアーレントの姪エトナ・ブロッケによる「大きなハンナ——わたしの伯母」を付す。
衝撃をあたえた『イェルサレムのアイヒマン』刊行から50年後におくる、待望の書。

目次

II 一九四〇年代(承前)
ユダヤ人の政治
クレミュー令はなぜ廃止されたか
ヨーロッパに新しいリーダー現わる
諸民族が和解するための方策
われら難民
パーリアとしてのユダヤ人——隠れた伝統
文化的雰囲気を創造する
ユダヤ人の歴史——改訂版
歴史のモラル
シュテファン・ツヴァイク——昨日の世界のユダヤ人たち
シオニズムの危機
ヘルツルとラザール
シオニズム再考
ユダヤ人国家——50年後、ヘルツルの政治はどこにたどりついたか?
ユダヤ人の郷土を救うために——まだ時間はある
人柄という資産——『ハイム・ワイズマン——政治家、科学者、ユダヤ・コモンウェルスの建設者』の書評
シオンへの一筋の轍——『試行錯誤——ハイム・ワイズマンの自伝』の書評
理性の蹉跌——ベルナドットの使命
「協力」について
パレスティナの新しい政党——メナヒム・ベギンの訪問と政治運動の目的をめぐって

III 一九五〇年代
近東における和平か休戦か
マグネス、ユダヤ民族の良心
巨大な犯罪の歴史——レオン・ポリアコフ『憎悪の祈祷書——第三帝国とユダヤ人』書評

IV 一九六〇年代
アイヒマン論争——ゲルショム・ショーレムへの書簡
サミュエル・グラフトンの質問への回答
アイヒマン事件とドイツ人——ティーロ・コッホとの対談
六百万人の破壊——『ジューイッシュ・ワールド』シンポジウム
「畏るべきロビンソン博士」——ハンナ・アーレントによる応答

あとがき 「大きなハンナ」——わたしの伯母  (エトナ・ブロッケ)
謝辞
[付録1] 1939年の白書
[付録2] ビルトモア綱領
訳者あとがき
事項索引・人名索引

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