みすず書房

死後に生きる者たち

〈オーストリアの終焉〉前後のウィーン展望

DALLO STEINHOF

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 360頁
定価 4,400円 (本体:4,000円)
ISBN 978-4-622-07779-4
Cコード C0010
発行日 2013年7月19日
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死後に生きる者たち

「自分のいる時代に先んじているだけの者は、その時代にいずれは追いつかれる」
——ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

「死後に生きる者は、およそいっさいの主体の終焉を経てきている。かれの生、かれが守護する生は、主体を肯定することの生、時流に乗っかったものになることの生ではなく、時流に乗っかったものの無意味さ、余計さをあらわにする生である」。
アガンベンと並び、ベンヤミンの正統な後継者とも言うべき、現代イタリアおよびヨーロッパを代表する思想家の主著。シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン、ムージル、ホフマンスタール、アルテンベルク、ロート、ヴァルザー、トラークル、ロース、クラウス、ユンガー、クリンガー、クービン、シーレ。かれら“死後に生きる者たち”の遺した作品を、ウィトゲンシュタインの言語批判を導きの糸に、“連作歌曲”ふうに論じる哲学的エッセイ。帝国の没落と故郷からの離別を“死後に生きる者”として受けとめ、創作の契機へと変えた芸術家たちの営みは、1世紀を経た今日においてこそ、ますます輝きをもって甦る。

「驚くべきアナロジーの高速な展開。思わぬ抜け道や両義的な裂け目が縦横に走った、ヴェネツィアという都市のようなアレゴリー的構築物」
(解説・田中純)

目次

新版(2005年)への序言
まえおき(1980年)

シュタインホーフから
死後に生きる者たち
言語的なもの
安んじることのないわたしたちの心
哀悼劇の新たな空間
近代的なものの批判
悲劇的なものの不可能性
さあ、さあ、おはいり、動物たちの見せ物小屋へ!
音楽、声、歌詞
不可思議な驚嘆すべき出来事
むずかしい男
アケロンを動かしてみせよう
内密のアードルフ・ロース
ルーのボタン
ガラスの連鎖
死ぬことに障害を負った者
ふたたび神秘的なものについて
夕べの国
断崖と沼について
ケンタウロスたち
女性的なもの
永遠の子供
離別した者の歌
弓術
旧い町の暗い道
物語の星
クラウスの表意文字

原注
解説 哀悼劇の天使的音楽に寄せて  田中純
訳者あとがき
主要人名事典

書評情報

佐々木敦(早稲田大学教授)
朝日新聞2013年9月15日(日)
相澤正己(ドイツ語文化)
図書新聞2013年10月12日

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