
2013.12.11
P・ブーレッツ『20世紀ユダヤ思想家』
来るべきものの証人たち[全3巻完結] 合田正人・柿並良佑・渡名喜庸哲・藤岡俊博・三浦直希訳
[全2巻] 森本醇訳
2013.11.25
このたび小社から主著『デモクラシーの生と死』の日本語版が出た、オーストラリアの政治学者ジョン・キーン。彼がどのような人物か知るためには、何よりもキーン教授自身のホームページjohnkeane.netを訪れていただくのが手っとり早いだろう。
トップページには海を背景に腰を下ろして、こちらをまっすぐに見据える魅力的な肖像写真と、学者としての仕事を紹介する簡潔な文章。そして見出しをクリックすれば、生い立ちや、本書を含むこれまでの著作一覧にまっすぐ行ける。「興味関心のトピック」の項目はさらに小分けされ、それぞれに数多くのテキストが収められている。「市民であること」「市民社会」「21世紀におけるデモクラシー」「歴史と方法」「メディアとデモクラシー」「宗教と政治」「戦争、暴力、恐怖」「なぜデモクラシーか?」。そしてたとえば「市民であること」を開くと、『カンヴァセーション』(2012年2月16日号)に掲載された、ウィキリークス創立者ジュリアン・アサンジとの獄中対談などを読めるのだ。
ここでは一例を挙げるにとどめるが、『デモクラシーの生と死』(原書刊行は2009年)には、キーン教授のこうした行動力と、長年にわたる研究成果が、ぎっしりと詰まっている。厖大な文献資料から生き生きと語られる、幾千年にわたるデモクラシーの世界史はストーリーとしても興味深いが、その物語の中に、著者の先祖が堂々と現われるところがまた面白い。
たとえば下巻の88ページ。オーストラリアで女性参政権の完全実現を求める400フィートに及ぶ嘆願書が本国のヴィクトリア女王によって勅裁され、1896年4月25日、下院議員総選挙で初めて女性が投票した。まさにその日、正装して写真撮影に臨んだのは「我が曾祖母マチルダ・フーバー・チャーリック」。その脇に小公子のように佇むのは「著者の祖父」といった具合。また上巻441ページには、ウルグアイのモンテビデオにある「イギリス下院様式の議場」を最近訪れ、野党席に立つ著者自身の写真もある。
本書の刊行を機に日本にやって来るキーン教授の講演会が、12月3日に早稲田大学で開かれる。この東京では何を目撃して、何を考えるのだろうか、楽しみである。
[終了しました]主著『デモクラシーの生と死』の翻訳刊行を機に、オーストラリアの政治学者ジョン・キーンがシドニーから来日します。公開の講演会として下記が予定されていますので、ふるってご参加下さい。
2013.12.11
来るべきものの証人たち[全3巻完結] 合田正人・柿並良佑・渡名喜庸哲・藤岡俊博・三浦直希訳
2013.11.25
村井章子訳 近藤和彦監修