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2014.03.10トピックス

『丸山眞男話文集 続』刊行開始

全3巻 [第1巻 18日刊]

『毎日新聞』年頭の「特集ワイド 100歳の贈り物」にて、第1回に木下順二(1914-2006年)、第4回に丸山眞男(1914-96年)が取り上げられていた。木下順二の回は、戯曲「沖縄」のせりふ「どうしてもとり返しのつかないことを、どうしてもとり返すために」に込められたメッセージについて、丸山眞男の回は、東京大学を早期退職の後に選んだ「沈黙」の真相について。(個人的には、二人の略歴で紹介されていた、木下の戯曲「夕鶴」、丸山の評論「「である」ことと「する」こと」を、それぞれ中学校、高校で国語の教科書で読んで、初めて名前を知った記憶がある。)
記事では二人の関係は触れられていなかったが、『丸山眞男書簡集』(小社刊)には、丸山から木下への書簡「蛙昇天の上演、どうなったか気にしています。」(1951年)から「オペラ「夕鶴」をTVで見て、貴兄の姿をチラリと視聴しました。」(1994年)まで44通を収録、同年齢ならではのくだけた雰囲気が感じられる。また、木下の自己紹介「丸山君とは戦後すぐ、未來社社長、故西谷能雄の紹介で知り、以後非常に親しくなる。対談も何度か。木下作『沖縄』『子午線の祀り』その他の懇切な批評を書いてもくれた。」も寄せられている。

さて、その丸山の記事で、川口重雄「沈黙なんてまさか。70年代以降、「丸山は戦後民主主義とともに死んだ」と言う人がいるが、晩年はマスコミにあまり登場しなかっただけ。実は、より平易な言葉で、人に伝わるように語り続け、小さな集会や勉強会にも積極的に出かけていました。」とあるが、このような言葉をまとめた『丸山眞男話文集』全4巻を2008-09年に小社より刊行した。そして、この丸山眞男生誕100年の2014年に、『丸山眞男話文集 続』全3巻を最後の集成として刊行する。
『丸山眞男話文集』完結後、『丸山眞男手帖』(「丸山眞男手帖の会」発行の季刊雑誌)で発掘、記録された講演・座談などを続編として収録。E・H・ノーマン、都留重人との「歴史と政治」など、戦後間もない時期から、最晩年の座談まで。「それで整列して天皇の放送を聞いて。ラジオがガーガーいって何のことか分からないんだけれど、聞こえたのは――僕は後ろの方にいたんだけれど――ポツダム宣言を受諾し、というところだけだった。あっ、これは降伏だなと思ったんです。」のように時代状況に向けられた批判的な視点、「今テロが非常に流行し出すと。憲政の模範であったイギリスでさえそうだと。つまり文明が進めば進むほど、人心がますますエモーショナルになってきて社会の騒擾がますます激しくなる。人々が道理に依存するのじゃなくて、情の支配が拡大してくるという逆説をここで述べ出すわけです。」(「福沢における文明と独立」)といった先人や古典への深い読解が、ここに生き生きと語られる。

[シリーズ概要]
  • 各編の冒頭に背景を説明した解題を、各編の末尾に詳細な註を付す。
  • 第3巻末に人名索引を付す。
  • 第一回配本・第1巻[2014年3月刊]448頁 5400円(税別) ISBN 978-4-622-07826-5
  • 第二回配本・第2巻[2014年7月刊行予定] ISBN 978-4-622-07827-2
  • 第三回配本・第3巻[2014年11月刊行予定] ISBN 978-4-622-07828-9
  • 四六判・上製・各巻平均460頁
[目次]
第1巻

生きてきた道――『戦中と戦後の間』の予備的な試み(1965年10月)/江戸時代における異端類型化の試み――日本学士院論文報告(1987年9月)/1930年代、法学部学生時代の学問的雰囲気(1985年7月)/歴史と政治(鼎談 E. H. ノーマン・都留重人1949年6月)/ディスカッション 社会科教育(1948年5月)/教育の本質――課題と展望(対談 上原専禄1959年4月)

第2巻

丸山眞男先生を囲む会(1988年6月)/福沢における文明と独立――言葉の用法についての一つの視点(1992年9月)/「アムネスティ・インターナショナル日本」メンバーとの対話(1993年10月)/近代日本の人物像――福沢諭吉(1968年9月)/現代の学生生活を語る(1948年11月)/丸山眞男先生を囲む会(1991年8月)/楽しき会 勉強会の記録――『文明論之概略』巻之三第六章「智徳の弁」を読む(座談 安東仁兵衛・石川真澄・筑紫哲也1985年9月)

第3巻

民主主義の名におけるファシズム――危機の政治学(鼎談 都留重人・辻清明1953年10月)/楽しき会の記録――帝国の終焉、アジェンダ・セッティング、楽しき音(座談 安東仁兵衛・石川真澄・筑紫哲也・堤清二1991年12月)/楽しき会の記録――「脱亜論」、日本浪漫派、湾岸危機、「日韓併合」、「集団的自衛権」の欺瞞性(座談 安東仁兵衛・石川真澄・岩見隆夫・筑紫哲也1990年9月)/丸山眞男先生を囲む会 最後の記録(1995年8月)/陸(最上家)訪問録(1971年12月)

第2・3巻は、各編の構成・表題が変更する場合がございます。

丸山眞男生誕100年記念講演会

生誕100年の当日にあたる2014年3月22日(土)13時から、東京・永田町の星陵会館で、「丸山眞男生誕100年記念講演会――20世紀の思想的営為を21世紀に「開いて」ゆくために」が開かれます。



丸山眞男(1994年7月9日、吉祥寺の自宅にて。背景にあるのは荻生徂徠書簡の軸。撮影 ジャック・ジョリ)



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