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2014.04.28トピックス

『英語化する世界、世界化する英語』

ヘンリー・ヒッチングズ 田中京子訳

いまや日本でも幼稚園から英語教室に通い、「英語が話せるようになりたい」人の数はふえるばかり。世界の共通語として、英語の占める王座はこの先もゆるぎそうにない。しかし、私たちが話せるようになろうと必死になっている、お手本の英語――イギリス生まれの純粋な「ちゃんとした」英語なんて、そもそも本当にある(あった)のだろうか?

花の種子が風にのって遠くへ飛んでゆくさまにも似て、英語はイギリスから新大陸アメリカをはじめ世界中にひろがっていったが、外国からも言葉の花の種子は飛んできた。英国内のさまざまな地方の方言、階級ごとに異なる発音。いつの時代にもいた、純粋な「ちゃんとした」英語をつくりあげ、それを固定化し、守ろうとした人びとの努力にもかかわらず、英語は混じり合い、変化しつづけてきた。そして今も、英語はインターネットを初めとするデジタルテクノロジーやカジュアル化する生活によってその姿を変え、話者の数をふやしながら多様化してゆく。いっぽう、エスペラントなどの人造語やグロービッシュ、ベーシック・グローバル・イングリッシュを提唱し、バベルの再建を夢みる人びとも、あとをたたない。

ジョンソン博士やウェブスター、ウスター、そして『オックスフォード英語辞典』が収録した言葉と収録しなかった言葉、女性と言葉、アメリカ英語、さらに放送禁止用語やイギリスでも増殖中の語尾上げ(アップトーク)まで、5世紀にはじまるこの言葉の豊かな歴史が、たくさんの文学作品に彩られながら目の前にくりひろげられる。

2005年に 『ジョンソン博士の『英語辞典』』 で鮮烈なデビューを飾り、その後も新刊を出すたびに英語と英文学の世界に新しい風――いな、ハリケーンを巻き起こしてきたヘンリー・ヒッチングズ。『世界文学を読めば何が変わる?』 につづく3冊目の邦訳である本書は、読み終わったとき、英語のみならず言葉そのものにたいする感覚がリフレッシュしたような不思議な読後感がのこる、これまでにない異色の英語史=英語進化論。




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