トピックス
D.M.ベルーベ『ナノ・ハイプ狂騒』
アメリカのナノテク戦略 上・下
ナノテクノロジー・ブームにみる、ハイテク投資の舞台裏! ブームの渦中、誰も彼もが「ナノ」の看板を掲げ、不確実な未来を語った。
キーパーソンらがハイプを煽り、国がそれを金に変える現代の錬金術は、科学技術の真のブレイクスルーを生み出せるのか? 著者は、大言壮語含みの膨大なナノテク言説をかきわけ、国家、企業、投資家、科学界など各部門の本音と実態を露出させる。
社会に駆動される先端科学の姿を描く本書は、21世紀のテクノロジーの動向を理解するための必読書となるだろう。年度あたり数百億円規模の国家予算を投じた日本のナノテク・ブームも省みる。
『ナノ・ハイプ狂騒――アメリカのナノテク戦略』
デイヴィッド・M・ベルーベ 五島綾子監訳 熊井ひろ美訳 全2巻
[上] A5判 344頁 定価3990円 ISBN 978-4-622-07460-1
[下] A5判 312頁 定価3780円 ISBN 978-4-622-07461-8
◆ご予約注文受付中(受付終了)
- 刊行にさきがけて『ナノ・ハイプ狂騒』の予約注文を承ります
- 受付は2009年6月16日(火)午前中までです
(この期間のご予約に限り送料無料でお送りいたします) - 刊行次第、クロネコヤマト代金引換コレクト便にて発送いたします
予約注文の受付は6月16日正午をもって終了いたしました
『ナノ・ハイプ狂騒』目次抄
- まえがき(M・C・ロコ)
- はじめに
- 第1章 誇大表現、誇張、ハイプの狂乱
- 可変要素としての誇張/誇張とグー/結論
- 第2章 ナノテクノロジーに関する憶測と批判
- 支持者/批判者/結論
- 第3章 ナノテクノロジーにおける政府関係者
- 個人/政府系科学振興団体/行政府/結論
- 第4章 ナノテクノロジーにおける政府のイニシアティブ
- イニシアティブと情報操作/国際的な関係者/結論
- 第5章 ナノテクノロジーを宣伝するための報告書
- アメリカ/イギリス/EU(欧州連合)/企業関連の利害関係者/結論
- 第6章 ナノサイエンスの応用
- 計器および装置/製造および材料/農業および食物生産/エレクトロニクスおよびコンピューティング/ヘルスケア/エネルギー/贅沢品/結論
- 第7章 ナノ産業およびナノ起業家
- ナノテクノロジーの経済/ナノテクノロジーのビジネス/既存の多国籍企業/新興企業およびベンチャーキャピタル/個人/ナノビジネス・アライアンス/結論
- 第8章 非政府組織とナノ
- 支持派/反対派/結論
- 第9章 ナノハザードおよびナノ毒物学
- 時間枠、および時間枠に応じた倫理的見積り/不安と恐怖/ナノ毒物学への投資/ナノ毒性調査入門/リスク分析/環境上の懸念およびその倫理/結論
- 第10章 ナノテクノロジーの社会的および倫理的影響の研究
- 診断/SEINの定義/象徴としてのSEIN/進行中の研究/SEINの状況/結論
- 第11章 ナノ科学技術政策形成における公共圏
- 呼びかけ/公衆の状況/挑戦/公共圏の定義/科学と公共圏/公衆と対抗的公衆/運動について/実験/問題解決?/結論
- 謝辞
- 解説
- 原注
- 略称リスト
- 索引
著訳者略歴
[著者] デイヴィッド・M・ベルーベ(David M. Berube)
元・サウスカロライナ大学ナノ・センター(USC NanoCenter)のナノ倫理部門長として米国環境保護庁(EPA)有害物質汚染防止局(OPPT)の諮問委員会委員、国際ナノテクノロジー協議会委員などを務めた。2008年から現在、ノースカロライナ州立大学教授。
[監訳者] 五島綾子 (ごとう・あやこ)
科学技術著述家(元静岡県立大学経営情報学部教授)。著書『ナノの世界が開かれるまで』(共著、2004)、『ブレークスルーの科学』(単著、2007、パピルス賞受賞)ほか。
[訳者] 熊井ひろ美 (くまい・ひろみ)
訳書に、アダム・ハート=デイヴィス『話す科学』(2005)、スペンサー・R・ワート『温暖化の〈発見〉とは何か』(2005)などがある。
- ヒーリー『抗うつ薬の功罪――SSRI論争と訴訟』田島治監修・谷垣暁美訳はこちら
- クロスビー『史上最悪のインフルエンザ』西村秀一訳はこちら
- 山崎茂明『パブリッシュ・オア・ペリッシュ――科学者の発表倫理』はこちら
- デイリー『持続可能な発展の経済学』新田・藏本・大森訳はこちら
- ガーランド編『脳科学と倫理と法――神経倫理学入門』古谷・久村訳はこちら
- モラン『処刑電流――エジソン、電流戦争と電気椅子の発明』岩舘葉子訳はこちら
- ダイソン『叛逆としての科学――本を語り、文化を読む22章』柴田裕之訳はこちら
- 朝永振一郎著作集5 『科学者の社会的責任』小川岩雄解説はこちら
