
2015.08.27
ジョッシュ・ウェイツキン『習得への情熱』
─チェスから武術へ─ 上達するための、僕の意識的学習法
日記 2013・4-2015・3
2015.08.26
たまたま開いたページにあった三日間の日記を拾ってみたが、これだけでも日記の効用はよく出ている。2020オリンピックの東京招致のプレゼンテーションでの安倍首相の発言は多くの人が知っているが、その翌々日に原発事故で訴えられた全員が不起訴になったことはあまり知られていないだけでなく、ここに連関があるのかどうか、近過去の記録である日記を通してはじめて立ち止まって考えることができること、メディアは一色だとはいえ、反対意見も一応は伝えていたこと、つまり思い込みあるいは記憶の修正、それと、著者の考察をとおして、今の状況を過去の歴史と関連づけて考えることもできること。
優れた書き手による日記を通して、ほんの二年前にほぼ同じ時空間で共有していたことをわれわれ自身復習し、新たに学び、いまの新国立競技場問題や安保関連法案などとのつながりについても思いをめぐらすことができる。
こういう日常の記述も、「グルメ」情報だけでなく、将来の大衆文化のための資料になる可能性もある。
著者は半世紀ほど前に書かれた竹内好の「日記」に触発され、たとえ身辺雑記であっても、「日記」というスタイルが、書き手にとっても現在の読み手にとっても未来の読者にとっても重要なのではないかと考え、本書を著した。遠い将来の読者にとってこの『日記』がどう受け取られるかはともかく、著者独特の語り口からなる新刊である本書を通して、この数年の「私」と「時代」をふり返っていただきたい。
2015.08.27
─チェスから武術へ─ 上達するための、僕の意識的学習法
2015.08.11
死の収容所で起こったこと 1942-43 近藤康子訳