みすず書房

「多くの人を感動させ、人生観を、人生を変えるはずだ」(仲野徹)

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め――死にゆく人に何ができるか』

2016.06.27

“Being Mortal”、人生最高の一冊であったと断言しよう。
「死にゆく」ことをテーマにしたハーバード大学教授ガワンデの本。
多くの人を感動させ、人生観を、人生を変えるはずだ。
仲野徹(大阪大学大学院教授)

校正しながら泣いた。先を読みつづけられなくなった。
自分で書いたもので泣くなんてアホらしいが、正直そうだった。
この本は人を変える。読者の中には家族や親しい人を見送った経験があるか、その最中の人がいるはずだ。この本を読めばその人たちは前と同じ考え方ではいられないだろう。
原井宏明(巻末「訳者解説」より)

全米90万人の人生観を変えた、感動のベストセラー

人類史上もっとも人の寿命が長くなった今、医師やまわりの人は死にゆく人に何ができるのだろうか? 全米で90万部のベストセラーとなった迫真の人間ドラマ。TIME誌『世界でもっとも影響力のある100人』に選ばれた現役外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターでもある著者ガワンデが、圧倒的な取材力と構成力で読む者を引き込んでゆく感動の医療ノンフィクション。

英語版原書は「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー・リストに48週連続ランクイン。「ニューヨーク・タイムズ」「ガーディアン」「タイム」「ワシントン・ポスト」「ウォールストリート・ジャーナル」「ニューズウィーク」ほか各紙誌書評で絶賛。

[登場人物より]
  • 老年科医師フェリックス
    失明した妻を介護するために、家と職場を離れホーム入所の決断を下し、妻の最後を看取る
  • ホーム入居者アリス
    しぶしぶ入ったホームは束縛が多くなじめない。やがて自ら延命措置を断つアリスの最期とは
  • がん患者の新妻サラ
    妊娠中に病気が発覚。延命治療に懸命に励むが……
  • 著者の父
    腫瘍が発覚。親子は事実から目をそむけず、会話を重ね、父の最期をまっとうしようとする……
[数々の試み]
  • 終末期における願望について患者と事前に話し合った結果、平均寿命が全国平均を1年上回り、終末期医療のコストを全国平均の半分に下げたラ・クロッセ市。
  • 施設に欠けているのは人生そのものだという考えから、植物、動物、子どもたちでホームをいっぱいにし、入所者の生活を改善させた若手医師。

関連書より

ガワンデ『死すべき定め』原井宏明訳(みすず書房)カバー

医師ガワンデの本