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『大隈重信関係文書』 8
とく―はつ 早稲田大学大学史資料センター編 [全10巻・別巻1]
「日本政府の意向は兎も角も、日本国民は英国を刺戟し英国を奨励し、英国と協同して露に対するの大策を取るの外なかる可く候。而して英国は輿論の国なれは、輿論を動かすは決して閑事業には無之候。私儀も此節は日本国民の使節たる心得にて十分の交際をなし、朋友を作り恒に当国の輿論を振作するの地をなす覚悟に候」(徳富蘇峰書翰 明治29年8月25日)。
これはヨーロッパ旅行中の蘇峰が大隈に語った覚悟をしるす書翰。
つぎは生活に困窮している兆民が、大隈に無心し、近刊の「経綸問答」、売れそうと期待したもの。
「又々阿堵物に事欠き汗顔之至に御坐候得共御高庇奉仰候。……近著経綸問答は赤坂之言にどうやら多分に售られそふに御座候間、追々少許之収入も可有之と相楽居申候」(中江兆民書翰 明治20年7月)。
一年に一冊、大隈重信に宛てた書翰を通して日本近代の政治・経済・社会・文化の歴史を現前させる資料集。本巻には主に海外から宛てた蘇峰の情趣豊かな74通、兆民の初めて公刊される書翰はじめ、鳥居龍蔵のモンゴルについての報告、さらに新島襄、新渡戸稲造、膨大な量の鍋島直彬書翰まで177名・824通を収録する。
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