みすず書房

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『統合失調症』 2/『精神医学と疾病概念』

中井久夫『統合失調症』 2 《Heritage》
臺弘・土居健郎編『精神医学と疾病概念』 《Heritage》

《精神医学重要文献シリーズ Heritage》では、現代精神医学の発展を支えてきた医学者による名著を中心に、人間理解への卓越した視点に基づく著作を編集・刊行していきます。精神医学界の未来を担うべき若き医学徒を読者対象に、今日までの先駆者の営為を残し語り継いでゆくため、時を経てなお魅力を持ち続けるシリーズを目指します。
2010年8月刊行の第4回は、中井久夫『統合失調症』2、臺弘・土居健郎編『精神医学と疾病概念』の2冊を刊行いたします。

『統合失調症』2は、主に発病過程に注目した『統合失調症』1(2010年2月刊)につづき、寛解(回復)過程に注目した論文3編を収録しました。
統合失調症の研究が「発病の過程に精であり、寛解の過程に粗である」という着眼点をもとに、絵画をもちいた独創的な手法により書かれた論文を精選。『統合失調症』1と合わせて、著者の統合失調症論集成として読めることでしょう。

『精神医学と疾病概念』は、1974年に行われた精神医学者たちによる集会をもとに刊行された討議集会の記録です。
R・D・レイン、D・クーパーらによる反精神医学運動の渦中にあり、また、米国発の操作的診断基準DSMが本格的にわが国に導入される前夜の緊張感の中で、いまやわが国を代表する精神医学者として知られる論者たちが「疾患」の意味を問うた迫真の討論。私たちにとってもあらためて「病気」そして「健康」とは何かを問いかけるものです。
巻末には京都大学大学院医学研究科精神医学教室教授・村井俊哉氏による「解説」を収録しました。

■《精神医学重要文献シリーズ Heritage》 既刊8冊揃

本シリーズは昨秋より刊行を開始し、このたびの2点をあわせて8点が既刊となりました。次回刊行時期は未定ですが、ひきつづき時を経ても魅力を持ち続ける続刊を刊行してまいります。どうぞご期待ください。




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