
2016.03.10
「現代の監視が身体の内奥へと向けられ…」(高野麻子「あとがき」)
高野麻子『指紋と近代――移動する身体の管理と統治の技法』
〈博士課程に進学し、指紋という指先の微細な紋様を研究テーマに選んでから約10年がたつ。この間に指紋を含む生体認証技術は、ときに個人のセキュリティを守る鍵として、…
2016.03.10
高野麻子『指紋と近代――移動する身体の管理と統治の技法』
〈博士課程に進学し、指紋という指先の微細な紋様を研究テーマに選んでから約10年がたつ。この間に指紋を含む生体認証技術は、ときに個人のセキュリティを守る鍵として、…
2016.02.29
斉藤道雄『手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで』
〈「病気や事故のせいで、それまで耳の聞こえていた人が聞こえなくなってしまうことがあります。そういう人は、途中から聞こえなくなった人、っていう意味で中途失聴者って…
2016.02.10
瑞々しい文章が各紙誌で絶賛された第一作『長い道』に続く、宮﨑かづゑ第二作品集『私は一本の木』。 所収54篇のなかから1篇をここにご紹介します。 夫 ある夕方、何…
2016.01.28
富山英俊訳
なんと雄渾な、しかも大胆に圧縮された歴史文学でしょうか。まるでユーコン河3700kmを3日で流れ下るような(すみません、駄洒落です)。 とはいえこれは、滔滔と紡…
2016.01.26
脱構成的可能態の理論のために 上村忠男訳
生きものにとって存在するとは生きることである。(アリストテレス) 観想は自然から魂へ、そして魂から思考へと向かおうとする運動である。(プロティノス) わたしたち…
2016.01.13
描かれた人生 小山太一・宮本朋子訳
「現代美術」という区分を無視するかのように、ひたすら真正の具象、というより人物画を描きつづけたルシアン・フロイド。現代絵画の巨匠とみなされ、晩年はオークションの…
2016.01.12
酒井啓子先生といえば、2003年のイラク戦争開戦の頃、連日のようにテレビで情勢の解説やコメントをしていた姿をご記憶の方が多いだろう。筆者の目には、論理的かつ冷静…
2016.01.12
終わりなき挑戦、希望への意志 坂川雅子訳
国境なき医師団は、アフリカからロシアまで、戦場や震災地、スラムに赴き、エイズ、結核、マラリアなど様々な病気と闘っています。その熱意に満ちた行動はどのような信念に…
2015.12.25
戦時治安法制のつくり方
治安維持法が刑罰法規であったにもかかわらず、戦後の研究はもっぱら歴史学や政治学などにおいておこなわれてきた。本書は刑法学者が治安刑法の歴史、論理と運用を解説し、…
2015.12.24
利己的なわれわれはなぜ協調できるのか
想像してみてほしい。 先日、Bさんの誕生日にAさんは10万円のワインをプレゼントしたとしよう。そこで、Bさんは今度はお返しにAさんの誕生日に10万円の時計をプレ…
2015.12.22
高田ゆみ子訳
今年87歳にして現役の作家であるパウゼヴァングの百冊目にあたる長編のテーマは、〈戦争の日常〉。舞台は、都会からの疎開者を受け入れるようなドイツの深奥の小さな山村…
2015.12.11
二見史郎・蜂巣泉・辻井忠男訳
ダンチェフによるこの浩瀚な『セザンヌ』はとにかく面白いが、なかでも印象に残るのは、やはりというべきか、そこで引用されているセザンヌ自身のことばだ。以下「セザンヌ…
2015.12.09
「出版記念(サイン)会」が開かれます ギャラリー ときの忘れもの 18日(金) 昨年末、南青山のギャラリー「ときの忘れもの」から年明けに開催予定の植田実写真展「…
2015.11.27
田尻芳樹訳
J・M・クッツェーの小説『マイケル・K』(くぼたのぞみ訳)を筑摩書房で編集担当したのは1989年。この作家とのご縁がこれほど長く続くとは思っていなかった。今より…
2015.11.26
コピーはイノベーションを刺激する 山形浩生・森本正史訳 山田奨治解題
■この料理にコピーライトはあるのか? トマス・ケラー(フレンチ・ランドリー)「牡蠣と真珠」 ■彼らはなにを争っているのか? 料理、コメディなど身近な題材から、コ…
2015.11.11
パウル・ツェランとアンゼルム・キーファー。本書はふたりの創作における知られざる緊密な関係を探究している。 それだけではなく、ふたりの間には、さらに様々な人物が関…
2015.11.10
垂水雄二訳
150年も前に書かれた『種の起原』という一冊の本について、21世紀に生きる私たちが深く知ろうとするのは何のためなのか? 著者レズニックは本書の序文でそれについて…
2015.10.26
垂水雄二訳
倉谷滋・理化学研究所主任研究員(倉谷形態進化研究室主宰)に、本書の長文書評をご執筆いただき、月刊『みすず』2015年10月号に掲載いたしました。 その全文を、著…
2015.10.15
〈アシントン・グループ〉1934-1984 乾由紀子訳
栩木伸明氏(アイルランド文学、早稲田大学教授)より、出版情報紙『パブリッシャーズ・レビュー みすず書房の本棚』2015年9月15日号の「書評コラム」欄のために、…
2015.10.14
佐藤直樹訳
訳者の佐藤直樹先生に、本書の各章と各項目についての解説・要約をご執筆いただきました。 本書『進化する遺伝子概念』を読むための手がかり 佐藤直樹 遺伝学という言葉…