
2015.05.26
『システィーナの聖母』
ワシーリー・グロスマン後期作品集 齋藤紘一訳
5月は終わらない。5月の風と新緑を愛し、今月3日に亡くなった詩人の詩の引用から始めたい。 書かれた文字だけが本ではない。 日の光り、星の瞬き、鳥の声、 川の音だ…
2015.05.26
ワシーリー・グロスマン後期作品集 齋藤紘一訳
5月は終わらない。5月の風と新緑を愛し、今月3日に亡くなった詩人の詩の引用から始めたい。 書かれた文字だけが本ではない。 日の光り、星の瞬き、鳥の声、 川の音だ…
2015.05.25
旦敬介訳
この作品の舞台になっている現在のベナン共和国には、かつてポルトガルがウイダーに建設した奴隷貿易のための要塞が今も残っているという。建物は1960年代後半に歴史博…
2015.05.12
原子力から情報技術まで [20日刊]
科学・技術論の語り手として理想的なお二人に、現代の技術がはらむ問題について論じていただいた。下記8テーマを論じ、さらに「高速増殖炉開発の未来」「情報セキュリティ…
2015.04.23
「日々にもっとも親しい存在は、とたずねられたら、毎日その下の道を歩く一本の大きな欅の木、とこたえる。その樹は、いつも変わらないすがた、かたちをしている。けれども…
2015.04.23
南アフリカ物語 戸田章子訳 〈文学シリーズ lettres〉
「訳者あとがき」より 戸田章子 ローレンス・ヴァン・デル・ポスト(1906-1996)は、南アフリカに生まれ、イギリス国籍を取得した。日本では、映画『戦場のメリ…
2015.04.22
生まれてきた不思議、死んでゆく不思議、生まれてこなかった不思議
死んだらどこにゆくの。 赤ちゃんはどこから生まれてくるの。 生まれる前、僕はどこにいたの。 「自分の始まりはどこか」――小さな子どもの心にある日ふと訪れる、この…
2015.04.13
背信の医薬 田島治監訳 中里京子訳
出版社に入る前はフラスコで液体を混ぜてブクブクというようなことをやっていたので、理系分野に身を置いていた当時は、社会学や心理学の分野でおこなわれる計量分析はうさ…
2015.04.10
谷澤正嗣・川岸令和訳
本書はヘイト・スピーチの問題点を明らかにし、規制と自由をめぐる議論を見渡すことのできる視座を提供する。 ほとんどの先進デモクラシー諸国でヘイト・スピーチ規制があ…
2015.04.10
健康をモラル化する世界 細澤仁・大塚紳一郎・増尾徳行・宮畑麻衣訳
あなたは「健康」という言葉をどういう意味で使っているだろうか? だれかに「タバコは健康に悪いよ」と言うとき。あるいは、だれかに「太っていると健康に悪いよ」と言う…
2015.03.26
ヨーロッパ普遍主義と多元主義の言説 秋山淑子・中村圭志訳
「偏狭で排他的なムスリム」という謬見 “世界宗教”という言葉を聞いて、たいていの人は何を思い浮かべるだろうか。キリスト教、イスラム教、仏教……俗に言う「世界三大…
2015.03.26
恐怖と癒しの修辞学
「われわれの身体が時間をかけて獲得していく、行為と結果の因果関係は、グローバリゼーション的時間感覚の中で瞬時につかみ取った因果関係と同じであるはずがない。いち早…
2015.03.25
無尽講・報徳の民衆思想史 五十嵐暁郎監訳 福井昌子訳
「講」や「報徳」について、現代の私たちは意外に知らないかもしれない。それは当然だと、テツオ・ナジタは次のように説明する。 ――徳川時代、慢性的な飢饉と過酷な税制…
2015.03.25
著者からひとこと デザインを語る 高安啓介 本書のような本を書こうと思ったきっかけのなかでも、私にとって印象深い体験をひとつ紹介したいと思います。それは2012…
2015.03.11
山内朋樹訳
(追記2015.08.25) ◆LANDSCAPEDESIGN No. 104でジル・クレマン特集 『ランドスケープデザイン』LANDSCAPEDESIGN 第…
2015.03.11
「福島に農林漁業をとり戻す」というと、「福島の農業はほんとうに大丈夫なのか」「実際、復興は可能なのか」という反応が返ってくる。震災がなくても「地域消滅」までが議…
2015.03.11
受難と復活のドラマ
世界遺産の街、プラハを訪れる観光客の目を楽しませる様々な様式の建築。ゴシック、バロック、ネオ・ルネサンス、アール・ヌーヴォーにキュービズム……中でもとくに目を惹…
2015.02.27
多文化共生社会のコミュニケーション
「コミュニティ通訳」という言葉を、ほんの数年前まで知らなかった。 社で同僚編集者が手がけた通訳学・翻訳学の一連の刊行書の、内容紹介文で知った言葉だった。つぎに、…
2015.02.12
西田佐知子訳
「知のギャップ」を埋める 大河内直彦 現代の自然科学は、文字通り日進月歩である。毎週わんさか出版される論文にしっかり目を配っておかないと、あっという間に取り残さ…
2015.02.02
来日期間 2015年1月29日(木)-2月1日(日) シンポジウム(有楽町朝日ホール)/討論会(日仏会館)/東大講義[終了しました]
東大TVで「トマ・ピケティ 東大講義「21世紀の資本」」配信開始。 来日中のイベントのいずれにも数多くのご応募をいただき、まことにありがとうございました。 NH…
2015.01.26
立松弘孝訳
本書『形式論理学と超越論的論理学』(1928年発表)は中期フッサールの代表作である。1891年に『算術の哲学』でデビューし(これについてはジャック・デリダ『フッ…